1955年、映画「忍術児雷也」でデビューすると、白塗りの二枚目として、次々と主演に起用されるもぱっとせず、以降、長らく脇役に甘んじるも、1968年、映画「博奕打ち 総長賭博」での演技が認められると、「緋牡丹博徒」シリーズ、「前科者」シリーズ、「極道」シリーズほか、数多くの主演映画で人気を博した、若山富三郎(わかやま とみさぶろう)さん。今回は、そんな若山さんのデビューからの出演作品を画像を交えてご紹介します。

「若山富三郎の若い頃は破格待遇もパッとせず?干されたことも!」からの続き

Sponsored Link

「子連れ狼」が大ヒット

映画「博奕打ち 総長賭博」で一躍人気を博し、以降、「緋牡丹博徒」シリーズほか、数々のシリーズ物で主演に起用されるようになった若山さんは、

1972年には、柳生一族によって妻を殺害されたうえ、公儀介錯人の職を追われた、剣術の達人・拝一刀が、まだ幼い息子の大五郎を乳母車に乗せ、さすらいながら戦う姿を描いた時代劇「子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる」で、主人公の「子連れ狼」こと、拝一刀を演じると、

ダイナミックでありながら、なめらかで華麗な殺陣の数々や、トンボ切り(前方宙返り)などのアクロバティックなアクションで、映画はたちまち大ヒットを記録。

その後、この映画は、

「子連れ狼 三途の川の乳母車」(1972年)
「子連れ狼 死に風に向う乳母車」(1972年)
「子連れ狼 親の心子の心」(1972年)
「子連れ狼 冥府魔道」(1973年)
「子連れ狼 地獄へ行くぞ!大五郎」(1974年)

と、シリーズ化され、若山さんはその人気を不動のものにされます。

ちなみに、2003年、クエンティン・タランティーノ監督の「キル・ビル」の劇中、殺陣シーンが描かれているのですが、タランティーノ監督は、この殺陣シーンは、「子連れ狼」シリーズに影響を受けたと公言されています。

(後に、この「子連れ狼」は、テレビ時代劇として、萬屋錦之介さん、北大路欣也さん、田村正和さんが主演を務め、特に萬屋さんのバージョンが大ヒットとなりました)

出演作品(テレビドラマ)

それでは、ここで、若山さんのデビューからの主な出演作品をご紹介しましょう。

テレビドラマでは、

1958年「銭形平次 捕物控」
1964年「風雲児半次郎」
1967年「三匹の侍」第4シリーズ 第26話
1968年「待っていた用心棒」第19話、第25話、第26話
     「大奥」
     「旅がらすくれないお仙」第1話
1971年「柳生十兵衛」第28話
     「軍兵衛目安箱」
     「江戸巷談 花の日本橋」第11話、第12話


「三匹の侍」より。加藤剛さん(左)と若山さん(右)。

1973年「長谷川伸シリーズ」第12話、第29話
     「唖侍鬼一法眼」
1975年「賞金稼ぎ」
     「悪魔のようなあいつ」
     「影同心」第23話
     「痛快!河内山宗俊」
1976年「さくらの唄」
1977年「新・座頭市」第27話


「新・座頭市」より。勝新太郎さん(左)と若山さん(右)。

1978年「貝がらの街」
     「飢餓海峡」
     「ドラマ人間模様 / 事件」
1979年「不毛地帯」
1980年「頓珍館おやじ」
1981年「あの三億円事件の真相は?親は我が子を殺せるか 父と子の炎」
     「時代劇スペシャル / 御金蔵破りシリーズ」
1982年「影の軍団III」第1話
     「花王名人劇場 / 名物タクシー奮戦記」


「あの三億円事件の真相は?親は我が子を殺せるか 父と子の炎」より。(左から)佐藤浩市さん、若山さん、岸田今日子さん。

1983年「大奥」
1984年「暴力中学シリーズ」
     「花王名人劇場『寝ぼけ署長』」
1985年「松本清張スペシャル・支払い過ぎた縁談」
1986年「刑事弁護人・わが子殺人」
1987年「イキのいい奴」
     「出町の柳」
     「人間ドラマシリーズ 泣けたぜ! おやじ・明大島岡監督物語」


「イキのいい奴」より。(左から)若山さん、松尾嘉代さん、小林薫さん。

1988年「火曜スーパーワイド / サザエさん旅あるき」
     「忠臣蔵 いのちの刻」
     「妻たちの鹿鳴館」
1989年「織田信長」
     「坂本龍馬」
     「風雲!真田幸村」
     「子連れ狼」

1990年「新吾十番勝負」
     「源義経」
     「樅ノ木は残った」
     「名奉行 遠山の金さん 第3シリーズ」第3話
     「横溝正史傑作サスペンス・犬神家の一族」
     「柳生武芸帳」
     「閨閥」
     「戦艦大和」
     「白旗の少女」
     「山村美紗サスペンス「死を呼ぶ醍醐の桜狩り」」


「戦艦大和」より。

1991年「武田信玄」
     「恋しとよ君恋しとよ」
     「雲霧仁左衛門」
1992年「松本清張作家活動40周年記念・迷走地図」

Sponsored Link

出演作品(映画)

映画では、

1955年「番場の忠太郎」
1956年「四谷怪談」
1957年「明治天皇と日露大戦争」
1959年「水戸黄門 天下の副将軍」
1960年「壮烈新選組 幕末の動乱」
     「旗本と幡随院 男の対決」
     「野火を斬る兄弟」
     「ひばりの森の石松」


「番場の忠太郎」より。若山さん(左)と森繁久彌さん(右)。

1961年「又四郎行状記 神変美女蝙蝠」
     「怪談お岩の亡霊」
1962年「続・座頭市物語」
     「忍びの者」
     「抜打ち鴉」
1963年「新選組始末記」
     「続・忍びの者」
     「眠狂四郎殺法帖」


「続・座頭市物語」より。若山さん(左)と勝新太郎さん(右)。


「忍びの者」より。※城健三朗名義

1964年「座頭市千両首」
     「忍びの者 霧隠才蔵」
     「眠狂四郎女妖剣」
1966年「処女が見た」
     「兄弟仁義 関東三兄弟」
1967年「博奕打ち」
     「博奕打ち 不死身の勝負」
     「渡世人」


「処女が見た」より。(左から)安田道代さん、若山さん、若尾文子さん。

1968年「博奕打ち 総長賭博」
     「兄弟仁義 逆縁の盃」
     「緋牡丹博徒」
     「妖艶毒婦伝 般若のお百」
     「人生劇場 飛車角と吉良常」
     「博徒列伝」
1969年「現代やくざ 与太者の掟」
     「日本暴力団 組長」
     「日本暗殺秘録」
     「渡世人列伝」


「現代やくざ 与太者の掟」

1970年「日本ダービー 勝負」
     「舶来仁義 カポネの舎弟」
     「戦後秘話 宝石略奪」
     「日本暴力団 組長くずれ」
     「シルクハットの大親分」
     「シルクハットの大親分 ちょび髭の熊」
     「喜劇 ギャンブル必勝法」
     「最後の特攻隊」
     「新宿の与太者」


「シルクハットの大親分 ちょび髭の熊」より。富司純子さんと若山さん。

1971年「博徒外人部隊」
     「日本やくざ伝 総長への道」
     「暴力団再武装」
     「傷だらけの人生」
     「顔役」
     「日本悪人伝」
1972年「関東緋桜一家」
     「博奕打ち外伝」


「日本やくざ伝 総長への道」より。高倉健さん(左)と若山さん(右)。

1973年「桜の代紋」
1974年「脱獄広島殺人囚」
     「新仁義なき戦い」
     「エスパイ」
1975年「桜の森の満開の下」
     「暴力金脈」
     「強盗放火殺人囚」
1976年「愉快な極道」


「愉快な極道」より。

1977年「悪魔の手毬唄」
     「江戸川乱歩の陰獣」
     「姿三四郎」
     「トラック野郎・男一匹桃次郎」
1978年「火の鳥」
     「がんばれ!ベアーズ大旋風 -日本遠征-」
1979年「衝動殺人 息子よ」
     「遠い明日」
1980年「父よ母よ!」


「トラック野郎・男一匹桃次郎」より。(左から)菅原文太さん、若山さん、夏目雅子さん。

1981年「青春の門」
     「ちゃんばらグラフィティー 斬る!」
     「炎のごとく」
     「魔界転生」
     「燃える勇者」
1982年「夏の秘密」
     「大日本帝国」
     「凶弾」
     「制覇」
     「雪華葬刺し」


「魔界転生」より。

1983年「白蛇抄」
     「小説吉田学校」
     「人生劇場」
1984年「修羅の群れ」
1985年「山下少年物語」
1986年「道」
     「人間の約束」
1987年「親鸞 白い道」


「白蛇抄」より。若山さんと小柳ルミ子さん。

1989年「丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなる」
     「社葬」
     「ブラック・レイン」
1990年「女帝 春日局」
     「カンバック」
     「斬殺せよ 切なきもの、それは愛」
1991年「王手」


「ブラック・レイン」より。

ほか、数多くの作品に出演されています。

「若山富三郎は柳沢慎吾に遠山の金さんの撮影で激怒していた?」に続く

Sponsored Link