1972年、テレビドラマ「パパと呼ばないで」以降、数々のテレビドラマで主演を務められた、石立鉄男(いしだて てつお)さん。そんな石立さんの出演ドラマを、エピソードや画像を交えてご紹介します。

「石立鉄男と杉田かおるのチー坊以来の絆が泣ける!」

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「少女に何が起こったか」で小泉今日子を罵倒

石立さんは、1985年、音楽大学を舞台に、音楽大学の御曹司で天才ピアニストの東雪彦を父に持つ東雪(小泉今日子さん)が、一流ピアニストになるまでの軌跡を描いた、大映ドラマ「少女に何が起こったか」に出演されているのですが、

石立さんの役どころはというと、毎晩12時に東雪の前に現れ、雪の練習を妨害するべく、雪を罵倒し、苦しめる、謎の刑事・川村役で、

石立さんが、小泉今日子さんに向かって、

この薄汚ねえ(うすぎたねえ)シンデレラ!!

と、罵倒するセリフが、たちまち大流行となりました。


「少女に何が起こったか」より。石立さんと小泉今日子さん。

ちなみに、このセリフは、1980年代のオマージュ&パロディがふんだんに盛り込まれた、2013年のNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」で、小泉さんが主人公・アキ(能年玲奈(現:のん)さん)の母親役で出演された際、荒巻太一(古田新太さん)が捨て台詞として放っていることからも、当時、いかに流行したかが伺えます。

「湘南物語」では藤竜也の殴打事件

そんな石立さんは、1989年には、テレビドラマ「湘南物語」に出演されているのですが、石立さんは、もともと、時間にルーズで、このドラマの撮影中の4月21日も収録時間に遅刻。

すると、度重なる遅刻についにキレた共演者の藤竜也さんが石立さんを殴打したというのです。

この事件で、この日は、第二話の収録中にもかかわらず、収録は中止。

事件の3日後から収録は再開されるのですが、予想以上に溝は深かったようで、第6話の途中で石立さんは降板されたのでした。


事件を伝える当時の週刊誌。

ちなみに、この時、石立さんが藤さんに殴り返したという説や、最初から第6話で降板する予定だったとの説もあるのですが、

日本テレビ・川原康彦プロデューサーは、

石立さんは気むずかしい人で、スタッフとも気まずいムードがあったようで、それを藤さんは知っていたんでしょう。それに藤さん自身もイラ立っていて、それが爆発したんだと思います

と、明かされており、

少なくとも、テレビドラマがほのぼのとしたホームドラマからトレンディドラマへと移行する中、石立さんのように作品作りに対し頑固な役者は使いづらい時代となっており、石立さんとスタッフたちとの軋轢(あつれき)が一因だったのは間違いなさそうです。

そして、この事件をきっかけに、石立さんはブラウン管から徐々に姿を消していったのでした。

出演作品(テレビドラマ、映画)

それでは、ここで、石立さんの主な出演作品をご紹介しましょう。

テレビドラマでは、

1963年「愛情の系譜」
1964年「ラブ・テープ」
1965年「都ぞ弥生」
1966年「ポケットモンキー」
1967年「レモンのような女」
1968年「三匹の侍」

1969年「S・Hは恋のイニシャル」
1970年「大岡越前」 第1部第7話
1971年「ワンパク番外地」
1972年「知らない同志」
1973年「雑居時代」
1974年「水もれ甲介」


「雑居時代」より。石立さんと大原麗子さん。

1975年「気まぐれ天使」
1976年「玉ねぎ横丁の花嫁さん」
1977年「気まぐれ本格派」
1977~1980年「赤いシリーズ」
1979年 土曜ワイド劇場「三毛猫ホームズシリーズ」
     「噂の刑事トミーとマツ」


「噂の刑事トミーとマツ」より。(左から)国広富之さん、石立さん、松崎しげるさん。

1981年「秘密のデカちゃん」
1982年「天まであがれ!2」
1983年「さらば女ともだち」
     「スチュワーデス物語」
1984年「シンデレラの財布」
1985年「婦警候補生物語」


「スチュワーデス物語」より。石立さんと秋野暢子さん。

1986年「遊びじゃないのよ、この恋は」
1987年「ペイパーハネムーン」
1988年「五稜郭」
1989年「さすらい刑事旅情編」
1990年「燃えよ剣」
1991年「金曜日の食卓」

1993年「パパと呼べないの!」
1994年「大忠臣蔵」
1995年 NHK大河ドラマドラマ「八代将軍吉宗」
1997年「FiVE」
1998年「月曜ドラマスペシャル 新宿ホスト殺人事件」
1999年「赤穂浪士」

2000年「はぐれ刑事純情派」
2001年「万引きGメン・二階堂雪7『2002年
2003年「女と愛とミステリー 西村京太郎スペシャル 亀井刑事・十津川警部トラベルサスペンス 日本一周“旅号”殺人事件
2004年「忠臣蔵」
2005年「水戸黄門」第35部 第4話
2006年「新・桃太郎侍」第5話


「はぐれ刑事純情派」より。

映画では、

1964年「仇討」
1965年「ぜったい多数」
1966年「殺人者」
1967年「愛の渇き」
1968年「若者たち」
1969年「橋のない川」


「仇討」より。丹波哲郎さん(左)と石立さん(右)。


「若者たち」より。石立さんと佐藤オリエさん。

1970年「俺は眠たかった!!」
1971年「おくさまは18歳 新婚教室」
1974年「涙のあとから微笑み」
1978年「ピンク・レディーの活動大写真」
1986年「そろばんずく」
1987年「ドン松五郎の大冒険」

1990年「激動の1750日」
1991年「あんこう(V)」
1995年「蔵」
1996年「風の中のスクラム」
1997年「すばらしき臨終」
2000年「極道の妻たち/リベンジ」

2001年「私の骨〜MY BLOOD BONE」
2002年「紅姉妹」
2004年「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」
2005年「Break Out!」
2007年「キャプテントキオ」


「キャプテントキオ」より。

ほか、実に数多くの作品に出演されています。

わかめラーメンのCM

ところで、石立さんといえば、1984年のエースコックの「わかめラーメン」のCM。

石立さんは、レオタードを着て新体操をするお姉さんたちをバックに、

わ~かめ、スキスキピチピチ~♪

と、コミカルに歌い踊り、最後には、

お前はどこのわかめじゃ?

と、言うのですが、

このセリフが、たちまち大流行し、「わかめラーメン」は大ヒットとなっています。


「お前はどこのわかめじゃ?」

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柳沢慎吾で復活

そんな「わかめラーメン」のCMですが、2016年には、柳沢慎吾さんで復活。

柳沢さんバージョンでは、(レオタード姿に新体操を踊るお姉さんたちではなく)わかめになった5人の柳沢さんが登場し、あの、名セリフ、

おまえはどこのわかめじゃ?

に、柳沢さんの決めゼリフ、

あばよ!

も、付け加わり、柳沢さんらしさも加味されています。

ちなみに、石立さんのCMが放送された1984年は、柳沢さんがまだ芸能界に入って3~4年目の頃で、このCMのインパクトの強さに衝撃を受け、柳沢さんはたびたびバラエティ番組でモノマネをしておられるのですが、

柳沢さんは、石立さんに憧れて芸能界に入ったことも明かされており、このCMの復活に柳沢さんが起用され、石立さんも天国で喜んでおられることでしょうね♪

「石立鉄男の嫁は芳村真理の妹吉村実子!21年別居後離婚!息子は?」に続く

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