1964年、「東芝日曜劇場」の「袋を渡せば」で本格的に脚本家デビューして以来(実際のテレビドラマでの脚本家デビューは「夫婦百景」シリーズ「クーデター女房」)、50年以上もの間、脚本家として活躍されている、橋田壽賀子(はしだ すがこ)さん。今回は、そんな橋田さんの脚本作品を画像を交えてご紹介します。
「橋田壽賀子はキスされた江頭2:50を干していた?その真相とは?」からの続き
脚本作品(テレビドラマ(東芝日曜劇場))
それでは、ここで、橋田さんのデビューからの主な脚本作品(テレビドラマ(東芝日曜劇場))をご紹介しましょう。
「東芝日曜劇場」では、
1964年「袋を渡せば」
「愛と死をみつめて(前編)」
「愛と死をみつめて(後編)」
「女の気持ち」
「ちっちゃな家庭」
「五月の嵐」
1965年「ママ日曜でありがとう(第1部)」
「ママ日曜でありがとう(第2部)」
「夫よりも妻よりも」
「時間ですよ」
「続・ママ日曜でありがとう」
「菊の香高く」
1966年「あゝ結婚」
「出番です…奥様」
「牛乳とブランディー」
「ウーベの子守歌」
「玉子の結婚」
「続々・ママ日曜でありがとう」
芦田伸介さんと池内淳子さん。
1967年「限りある日を愛に生きて(前編)」
「限りある日を愛に生きて(後編)」
「虹」
「あたしとあなたのシリーズ8」
「母の童話」
「おたふく物語」
「小さな家の小さな灯り」
「おたふく物語(再放送)」
「小さな家の小さな灯り」より。(左から)塩崎景子さん、南田洋子さん、山内明さん
1968年「前進せよ」
「父の樹」
「あなたお話しましょう」
「小僧」
「ママ日曜でありがとう4」
「どっきり花嫁 その1」
「前進せよ」より。渥美清さんと松尾嘉代さん。
1969年「どっきり花嫁 その2」
「愛」
「あ かたづかないわ…」
「どっきり花嫁 その3」
「ママ日曜でありがとう その5」
「ママ日曜でありがとう」より。山内明さんと香川京子さん。
1970年「二代目」
「ありがとう私をお嫁さんにしてくれて……」
「二人の縁」
「娘と嫁と」
「妹」
「出来ごころ」
「妻のお値段」
「妻のお値段」より。池内淳子さん、沢田雅美さん、山内明さん。
1971年「ここはどこの細道じゃ」
「縁談」
「紬の里」
「噂」
「さらば夏の日」
「亜紀子(前編)」
「亜紀子(後編)」
「噂」より。(左から)香川京子さん、大谷直子さん、木村功さん、小野寺昭さん。
1972年「心」
「愛と愛」
「二人だけの道」
「母の鈴」
「妻の橋」
「姉と妹」
「二人だけの道 その2」
1973年「初蕾」
「只見川より 愛その日(前編)」
「只見川より 愛その日(後編)」
「お母ちゃん笑って」
「二人だけの道」
「ちいさい秋」
「秋のふたり」
「お母ちゃんごめんネ」
「ちいさい秋」より。(左から)加東大介さん、望月真理子さん、水前寺清子さん。
1974年「幻の父」
「おんなの家」
「ふるさと」
「ちいさい愛」
「お母ちゃんありがとう」
「おんなの家 その2」
「お母ちゃんありがとう」より。池内淳子さん、片野マリさん(左)、片野マミさん(右)。
1975年「明日また」
「愛のふれあい」
「出会い」
「おんなの家 その3」
「愛ってなあーに」
「誰れも知らない愛」
「おんなの家 その4」
1976年「春のゆくえ」
「愛と死をみつめて(前編・アンコール放送)」
「愛と死をみつめて(後編・アンコール放送)」
「おんなの家 その5」
「私の中のあなた」
「おんなの家 その6」
「私の中のあなた」より。(左から)京塚昌子さん、七尾伶子さん、芦田伸介さん、
1977年「あの日あなたは…」
「おんなの家 その7」
「あしたの海」
「姉妹 その1」
「あの日あなたは…」より。(左から)佐久間良子さん、大和田伸也さん、茅島成美さん。
1978年「おんなの家 その8」
「女たち」
1979年「姉妹 その2」
「おんなの家 その9」
「かあさんの鈴」
「女たちの忠臣蔵~いのち燃ゆる時~」
「女たちの忠臣蔵~いのち燃ゆる時~」より。(左から)池内淳子さん、浜木綿子さん、杉村春子さん。
1980年「おんなの家 その10」
1981年「おんなの家 その11」
1982年「おんなの家 その12」
1983年「おんなの家 その13)」
「おんなの家」より。(左から)杉村春子さん、奈良岡朋子さん、泉ピン子さん。
1984年「縁」
1985年「おんなの家 その14」
「花のこころ」
1988年「おんなの家 その15」
1993年「おんなの家(東芝日曜劇場最終回特別企画)」
「花のこころ」より。(左から)佐久間良子さん、森光子さん、大原麗子さん。
脚本作品(テレビドラマ(その他))
その他のテレビドラマでは、
1964~1968年「泣いてたまるか」
1968年「渥美清の父ちゃんがゆく」
1968年 NHK朝の連続テレビ小説「あしたこそ」
1969年「君は心の妻だから」
1970~1972年「おふくろの味第1-第2シリーズ」
「あしたこそ」より。藤田弓子さん、中畑道子さん。
1971~1975年「つくし誰の子第1-第4シリーズ」
1973~1978年「たんぽぽ第1-第5シリーズ」
1974年「四季の家」
1975年「赤い疑惑」
1976年「ほんとうに」
「ほんとうに」より。(左から)長山藍子さん、京塚昌子さん、草刈正雄さん。
1976年 NHK銀河テレビ小説「となりの芝生」
1977年 NHK銀河テレビ小説「となりと私」
1978年「夫婦」
「道」
「夫婦」より。村田千嘉子さん(左)と岩崎加根子さん(右)。
1979年 NHK銀河テレビ小説「幸せのとなり」
1980年「離婚」
「見合い結婚」
「心」
1981年 NHK大河ドラマ「おんな太閤記」
「おんな太閤記」より。佐久間良子さんと西田敏行さん。
1982年「夫婦」
「結婚」
「ああ離婚」
1983年 NHK朝の連続テレビ小説「おしん」
1984年「大家族」
「おしん」より。田中裕子さん。
1985年 NHK銀河テレビ小説「男が家を出るとき」
1986年 NHK大河ドラマ「いのち」
1986年「旦那さま大事」
1987年 NHK銀河テレビ小説「お入学」
1987年「おんなは一生懸命」
「忠臣蔵・女たち・愛」
「旦那さま大事」より。佐久間良子さんと西田敏行さん。
1988年「結婚する手続き」
「女たちの百万石」
1989年 NHK大河ドラマ「春日局」
1989年「おんなは一生懸命スペシャル・結婚」
1990~2019年「渡る世間は鬼ばかり」
1991年「源氏物語 上の巻・下の巻」
「女たちの百万石」より。中田喜子さん(左)、森光子さん(右)。
1992年 NHK朝の連続テレビ小説「おんなは度胸」
1994年 NHK朝の連続テレビ小説「春よ、来い」
1997年「番茶も出花」
1999年「めぐりあい」
「テレビ、翔んだ!」
「春よ、来い」より。安田成美さん。
2000年「父さん」
「百年の物語」
「想いでかくれんぼ」
2005年「ハルとナツ 届かなかった手紙」
「涙そうそう この愛に生きて」
「涙そうそう この愛に生きて」より。上戸彩さんと黒木瞳さん。
2006年「橋田壽賀子ドラマスペシャル 夫婦」
2009年「となりの芝生」
「橋田壽賀子ドラマスペシャル 結婚」
2010年「TBS開局60周年記念ドラマ 99年の愛〜JAPANESE AMERICANS〜」
2012年「橋田壽賀子ドラマスペシャル 妻が夫をおくるとき」
2013年「なるようになるさ。シーズン1-2」
「橋田壽賀子ドラマスペシャル 妻が夫をおくるとき」より。(左から)岸本加世子さん、泉ピン子さん、大杉漣さん。
脚本作品(映画)
映画では、
1950年「長崎の鐘」
1952年「郷愁」
1953年「真珠母」
「姉妹」
1967年「砂糖菓子が壊れるとき」
「風の慕情」
「風の慕情」より。石坂浩二さんと吉永小百合さん。
ほか、数多くの作品を手がけられています。
著書
また、著書も、
1959年「愛の孤独」
1974年「四季の家」
1977年「となりと私」
「ほんとうに」
1978年「夫婦」
1979年「幸せのとなり」
「道」
1980年「心」
「離婚」
1981年「おんな太閤記 大河ドラマ小説」
「母たちの遺産 橋田寿賀子の人間ドキュメント」
「渡る世間に鬼千匹」
1982年「結婚」
「自分らしさの知恵 女の幸せの見つけ方」
1983~1984年「おしん NHKテレビ・シナリオ」
1983年「女たちの忠臣蔵 橋田寿賀子作品集」
1984年「おしん人生訓 ゆたかな時代の<心のことば>」
「大家族 嫁の夢・姑の知恵」
「となりの芝生 NHKテレビ・シナリオ」
1985年「男が家を出る時 NHKテレビ・シナリオ」
「こころ模様」
「こころ模様」より。
1986年「いのち NHKテレビ・シナリオ」
「新となりの芝生」
1987年「お入学 NHKテレビ・シナリオ」
「優しさをすこし」
1988年「結婚する手続き」
1989年「女たちの百万石」
「春日局 NHKテレビ・シナリオ」
「橋田壽賀子と素敵な24人」
「女たちの百万石」より。
1991年「源氏物語」
1993年「おんなの家」
「夫婦は一生懸命 あなたが遺してくれたもの」
1993~1997年「渡る世間は鬼ばかり」
1994年「花のこころ 東芝日曜劇場名作集」
1994~1995年「春よ、来い」
1995年「旦那さま大事 山内一豊の妻」
1996年「おんなの家 四季折々」
1998年「番茶も出花」
2001年「渡る世間は鬼ばかり 橋田壽賀子ドラマ パート5 2000年 秋冬編」
「渡る世間は鬼ばかり 橋田壽賀子ドラマ パート5 2001年 春夏編」
2003年「ひとりが、いちばん! 頼らず、期待せず、ワガママに」
2005年「ハルとナツ 届かなかった手紙」
2006年「夫婦は、「ありがとう!」 文句は言わない。感謝の言葉は、口に出す」
2008年「夫婦の格式」
2010年「99年の愛 JAPANESE AMERICANS」
「おしんの遺言」
2011年「簡素が、いちばん! 「引き算」の暮らし方」
2015年「旅といっしょに生きてきた 人生を楽しむヒント」
2017年「安楽死で死なせて下さい」
ほか、数多く出版されています。
「おんな太閤記」はほぼ想像で書いていた
ところで、橋田さんは、1981年、初のNHK大河ドラマ「おんな太閤記」の脚本で、戦国時代から、江戸時代初期までを生き抜いた豊臣秀吉の妻・ねねの生涯を執筆されているのですが、
この作品では、ほとんど女性が主導権を握ったことがない日本の歴史で、女性も隠然たる力を持っていたと想定して、戦国大名を、社内競争を生き抜く高度経済成長期のサラリーマンに見立て、その妻だったらどうするかという視点で描かれたそうです。
ただ、秀吉に関する史料や史実はある程度あるものの、ねねはというと、名前さえも、「おね」なのか「ねね」なのかはっきりしないほど、史実がないため、ほぼ想像で書かれたそうで、
秀吉にあてた織田信長の手紙には「おねをかわいがれ」と書いてある。それから、秀吉が淀を側室にするときにも、ねねを通してお願いしている。要するに、頭が上がらなかったと思うのです。残っている何通かの手紙から人物像を作りました。
と、史実がないからこそ、イメージに縛られることがなく、逆に人物像を作りやすかったことを明かされています。
「おんな太閤記」より。佐久間良子さんと西田敏行さん。
受賞・受章歴
さて、こうして、数多くの作品の脚本を執筆されてきた橋田さんは、
1978年「日本女性放送者懇談会賞」
1979年「NHK放送文化賞」
1982年「松尾芸能大賞」
1984年「菊池寛賞」
1989年「東京都文化賞」
1994年「毎日芸術賞特別賞」
2000年「モンブラン国際文化賞」
と、数多くの賞を受賞されているほか、
1988年には「紫綬褒章」、2004年には「勲三等瑞宝章」、2015年には「文化功労者」も受章されているのですが、当時、脚本家で「文化功労者」を受章したのは、橋田さんが初めてだったそうです。
「橋田壽賀子の夫はTBSのプロデューサー!不純な動機で結婚していた?」に続く